交通違反の青切符は「交通反則告知書」、赤切符は「告知書」。この違いと根拠となる道路交通法を調べて、反則行為と反則金・罰金について学ぼう。
私がこの記事を書いています。
北海道の田舎に住む、一般的なサラリーマンのおじさんです。
趣味で法律を勉強しています。行政情報なども勉強中。
資格はありませんが、法律や規則を理解している自信はあります!
青切符は、比較的軽微な違反を「反則行為」として、反則金で許してもらえる制度
昭和三十五年法律第百五号
道路交通法
第九章 反則行為に関する処理手続の特例
第百二十五条 この章において「反則行為」とは、前章の罪に当たる行為のうち別表第二の上欄に掲げるものであつて、車両等(重被牽けん引車以外の軽車両を除く。次項において同じ。)の運転者がしたものをいい、その種別は、政令で定める。
(反則金の納付)
第百二十八条
2 前項の規定により反則金を納付した者は、当該通告の理由となつた行為に係る事件について、公訴を提起されず、又は家庭裁判所の審判に付されない。
ざっくり言うと、「交通違反のうち、国で決めたいくつかの違反は、「反則金」を払ったら、起訴されないで済むようにします。」と言っています。
基本的に、すべての交通違反は起訴(or不起訴)→罰金→前科
道路交通法の罰則規定を確認すると、速度違反でも一律に規定されています。例えば、
第百十八条 次の各号のいずれかに該当する者は、六月以下の懲役又は十万円以下の罰金に処する。
一 第二十二条(最高速度)の規定の違反となるような行為をした者
道路交通法118条では、速度オーバーは、六月以下の懲役又は十万円以下の罰金と規定されています。
つまり5キロでも30キロでもオーバーすると六月以下の懲役又は十万円以下の罰金となっています。
この条文のままだと、少しの速度超過でも罰金刑となり、日本国民の多くに「前科」がついてしまいます。
交通反則通告制度(いわゆる「青切符」)とは
交通反則通告制度とは、比較的軽微な違反を「反則行為」として扱い、提訴されないで済む制度です。
この制度のメリットとしては
- 裁判所の負担が減る(軽微な違反まで起訴していたら重要な裁判ができなくなる)
- 国民が「前科持ち」になることを防ぐ(国民のほとんどに「前科」が付けば「前科」の意味がなくなります)
駐車違反で起訴されて「前科」が付くなんて嫌ですよね。
どのような違反が交通反則で、反則金で済むのか?刑事罰(罰金)になる違反は何か?
軽微な違反は「反則行為」で「反則金」、それよりも重い交通違反が「刑事罰」で罰金。
具体的に調べてみます。
反則行為の反則金一覧(反則金も確認しましょう)
警視庁のHPに反則金一覧が掲載されています。一部をここに掲載します。
反則行為の種類 (略号) | 車両等の種類及び反則金額 (単位 千円) | |||||
---|---|---|---|---|---|---|
大型車 | 普通車 | 二輪車 | 小型特殊車 | 原付車 | ||
速度超過 | 高速道路35以上40未満 | 40 | 35 | 30 | 20 | 20 |
高速道路30以上35未満 | 30 | 25 | 20 | 15 | 15 | |
25以上30未満 | 25 | 18 | 15 | 12 | 12 | |
20以上25未満 | 20 | 15 | 12 | 10 | 10 | |
15以上20未満 | 15 | 12 | 9 | 7 | 7 | |
15未満 | 12 | 9 | 7 | 6 | 6 | |
積載物重量制限超過 | 普通等10割以上 | * | 35 | 30 | 25 | 25 |
5割以上10割未満 | 40 | 30 | 25 | 20 | 20 | |
5割未満 | 30 | 25 | 20 | 15 | 15 | |
携帯電話使用等(保持)違反 | 25 | 18 | 15 | 12 | 12 | |
信号無視(赤色等)違反 | 12 | 9 | 7 | 6 | 6 | |
信号無視(点滅)違反 | 9 | 7 | 6 | 5 | 5 | |
整備不良制動装置等違反 | 12 | 9 | 7 | 6 | 6 | |
整備不良尾灯等違反 | 9 | 7 | 6 | 5 | 5 | |
作動状態記録装置不備 | 12 | 9 | 7 | 6 | * |
軽いスピード違反、信号無視、整備不良、携帯電話使用、などがあります
どのような違反が刑事罰となるのか(反則行為とならないのか?)
埼玉県警のHPにPDFがありましたので紹介します。(令和5年7月1日現在)
違反点数が6点以上の違反は、反則行為とならず、刑事罰の対象となる
危険な違反は「反則行為」とはしてもらえず、「刑事罰」のままです。
- 一般道30Km、高速道40Km以上の速度超過
- 無車検・無保険運行
- 酒気帯び、酒酔い運転
- 無免許運転
- 危険運転、運転傷害、運転殺人
- 携帯電話使用(交通の危機)
これらは、6点以上で刑事罰です。6点以上は免許停止になります。
携帯電話使用(交通の危機)とは
携帯電話の画面を見ていて、それが原因で事故を起こした時などに科されるようです。
6点未満だが反則行為とならない違反もある
- 警察官現場指示違反(2点)
- 警察官通行禁止制限違反(2点)
- 保管場所違反(2~3点)
- 番号標表示義務違反(2点)
- 高速自動車国道等措置命令違反(2点)
- 混雑緩和措置命令違反(1点)
これらは、反則行為とならず刑事手続きを行うことになると思われます。
しかし、内容によっては起訴されないのではないかと思います。
刑事手続きに入っても、起訴して裁判にするほどの違反では無ければ、不起訴として検察官も提訴しないのではないかと思います。
内容によっては、起訴される可能性も十分にあります。
まとめ
- 「反則行為」ならば青切符による「反則金」の納付だけで済む。
- 6点未満の軽微な違反が「反則行為」、それだけでは一発免停にはならない。
- 軽微な違反でも「反則行為」とならない違反もある。
- 6点以上の交通違反は、「反則行為」とはならずに、刑事罰の対象となる
- 刑事罰の場合は「罰金」が科せられ、「前科」となる。
あおり運転や、酒気帯び運転は一発で赤切符ですよ。
速度超過は30Km以上にならないようにしましょう。赤切符で一発免停です。
最新の速度取締は、「電波」ではなく「レーザー(光)」で測定しているものがあります。
最新の「レーザー&ーレーダー探知機」の方が安心です。